こんにちは、まなびクマだよ。
今、世界のお金の世界で「主役」が変わろうとしているかもしれない、とっても大きな動きが起きているんだ。
今回は、アメリカドルが握ってきた強い力と、それに挑む「BRICS」という国々の集まりについて、一緒にじっくり学んでいこうね。
BRICSの拡大と世界経済へのインパクト

BRICSは人口と資源を武器に、先進国G7を超える成長のポテンシャルを秘めた巨大な経済圏になりつつあるんだ。
もともとはブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国で始まったこの集まりは、そこに南アフリカが加わり、さらに2024年からはサウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦といった国々が仲間入りを承認されたんだよ。
これは、これまでのアメリカや日本のような「先進国」がルールを決めてきた世界から、新興国が自分たちの意見を通そうとする新しい時代の始まりなんだね。
圧倒的な人口と資源の力
この国々の強さは、なんといってもその「数」にあるんだ。
G7の人口が約8億人なのに対して、拡大したBRICSの人口は約36億人と、なんと5倍近い差があるんだよ。
人が多ければそれだけ働く人も増えるし、物を買う人も増えるから、経済のパワーがどんどん膨らんでいくんだね。
さらに、ロシアや中東諸国が持っている「天然ガス」や「石油」といったエネルギー資源も、彼らの大きな武器になっているんだ。
経済成長率での逆転現象
すでに安定してしまった先進国と違って、BRICSの国々は成長のスピードがとっても速いんだよ。
GDPで見るとまだG7には及ばないけれど、購買力平価という「実際にどれだけ物が買えるか」という基準で見ると、すでにBRICSの合計はG7を超えているというデータもあるんだ。
まるで、クラスの優等生グループを、部活動で急成長している元気な子たちが追い越そうとしているような状況だね。
- BRICSブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの略称
- G7(ジーセブン)アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、カナダ
- 2024年の新加盟中東やアフリカの国々が加わり、影響力がさらに拡大
- 資源の独占世界のエネルギー供給の大部分をこれらの国々が占める
- 人口のボーナス若者が多く、将来の市場としての価値が極めて高い
このように、数と勢いで世界を揺さぶっているのが今のBRICSなんだよ。
これまでの「当たり前」が変わっていく予兆が、ここにあるんだね。
欧米の経済制裁が招いたドルの武器化と脱ドル

アメリカの経済制裁は相手を追い詰める強力な武器だけど、同時にドルを使わない経済圏を作るきっかけにもなっているんだ。
最近、ロシアとウクライナの戦争をきっかけに、アメリカやヨーロッパの国々はロシアに対して厳しい制裁を行ったよね。
その中でも特に衝撃的だったのが、ロシアが持っていた「アメリカドル」や「ユーロ」といった資産を凍結してしまったことなんだ。
これは「悪いことをしたら、あなたのお金を使えなくしますよ」という強力なメッセージだったんだよ。
ドルを持っていることのリスク
でも、この動きを見ていた他の国々はこう思ったんだ。
「もし自分たちがアメリカと仲悪くなったら、自分たちの貯金も使えなくなるんじゃないか?」ってね。
自分のお財布の紐を他人に握られているような不安を感じた国々は、少しずつドル以外のものを持ち始めたんだよ。
これを「脱ドル化」と呼んでいて、今、世界中で静かに広がっている動きなんだ。
安全な資産としての金の再評価
ドルの代わりに選ばれているのが、特定の国の政治に左右されない「金」なんだよ。
物質そのものに価値がある金は、誰かに凍結される心配がないから、一番安心できる避難先として人気が高まっているんだね。
実際に、中国やインド、トルコといった国々が、ここ数年で驚くほどの量の金を買っていることがデータでも示されているんだ。
実際に、アメリカが制裁を行った件数は、2000年からの約20年間で10倍以上に増えているんだ。
制裁が増えれば増えるほど、それを嫌がる国がドルから離れていくという、皮肉な結果を招いているんだよ。
この「ドルの武器化」が、皮肉にもアメリカの覇権を少しずつ削っているのかもしれないね。
スイフトに代わる新しい決済手段と金の役割
貿易の仕組みから外されても、中国のシステムや金という共通の価値を使うことで新興国は生き残る術を見つけているよ。
世界中の銀行をつないでいる「SWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)」というネットワークからロシアが追い出されたとき、多くの人は「これでロシアは貿易ができなくなる」と思ったんだ。
でも、ロシアは中国が作った「CIPS(Cross-Border Interbank Payment System)」という独自の決済システムに乗り換えることで、貿易を続けているんだよ。
決済システムの二極化
これまではSWIFTという一つの大きな道路をみんなで使っていたけれど、今は「別の道路」が完成しつつあるんだね。
中国はこのシステムを広めることで、「人民元」という自分たちのお金の力を強めようとしているんだ。
実際に、ロシアのウクライナ侵攻から1年で、中国の決済システムを使う金融機関は100以上も増えたと言われているよ。
ペトロダラー体制の揺らぎ
もう一つ重要なのが「石油」の取引だよ。
昔から石油はドルで買うのが当たり前という「ペトロダラー」というルールがあったんだ。
でも、サウジアラビアが中国に対して、人民元で石油を売ることを検討し始めるなど、この鉄のルールも崩れようとしているんだね。
エネルギーという世界で一番必要なものをドル以外でやり取りするようになれば、ドルの必要性はもっと下がってしまうかもしれないんだ。
| 決済システム | 特徴 | 運営の中心 |
|---|---|---|
| SWIFT | 世界標準の巨大ネットワーク。信頼性が高い。 | 欧米諸国 |
| CIPS | 中国が主導する新システム。ドルを介さない。 | 中国 |
| 現物資産 | 金など。制裁のリスクがゼロ。 | 国家・市場 |
このように、技術の進化と各国の工夫によって、アメリカの手が届かない経済のネットワークが着々と作られているんだね。
一度作られた仕組みは、簡単には消えない力を持っているんだよ。
一帯一路構想と各国の思惑が交差する未来

中国が広げる巨大な経済圏は魅力的な一方で、インドのような他国の警戒感やアメリカとの複雑な依存関係も生んでいるんだ。
中国が進めている「一帯一路」は、アジアからヨーロッパ、アフリカまでを巨大な道と航路でつなぐ壮大な計画なんだよ。
140カ国以上が関わっていて、世界人口の6割をカバーするこの計画は、中国の資金を借りてインフラを整えたい発展途上国にとって、とても魅力的なお誘いなんだね。
新興国内部での対立と競争
でも、BRICSの国々がみんな仲良しというわけではないんだよ。
特にインドは、お隣の中国が力を持ちすぎることをとっても警戒しているんだ。
自分たちの近くの海に中国の軍艦が来たりするのは困るから、中国の計画には賛成しつつも、完全には協力しないという複雑な立場をとっているんだね。
「敵の敵は味方」という言葉があるけれど、新興国同士もそれぞれの利益のために、したたかに動いているんだよ。
アメリカと中国の切っても切れない関係
面白いのは、アメリカと中国が政治的にケンカをしていても、経済ではお互いに依存しきっていることなんだ。
「iPhone」が中国の工場で作られているように、アメリカ人が中国製品を全く使わずに生活しようとすると、生活費が高すぎて成り立たないという本まで出ているくらいなんだよ。
だから、世界が完全に二つに分かれることは難しくて、文句を言い合いながらも手は離せないという、腐れ縁のような関係が続くんだね。
- 1一帯一路の展開中国から西に向かってインフラを整備し、巨大な経済圏を作る
- 2インドの独自外交欧米とも中国とも距離を保ち、自国の利益を最優先する
- 3依存関係の継続政治的な対立があっても、貿易のつながりは簡単には切れない
みんなが自分の幸せのために、複雑なパズルを解くように外交を行っているんだね。
正解が一つではない世界で、誰もが必死に生き残る道を探しているんだクマ。
米ドル覇権の現実と新興国が選ぶ第三の道

ドルの支配はすぐには終わらないけれど、これからは先進国と新興国の間をうまく泳ぐ賢い外交が重要になるよ。
ここまでドルの危機をお話ししてきたけれど、今すぐドルがダメになるわけではないんだよ。
世界の取引の8割以上はいまだにドルで行われているし、各国が持っているお金の60%もドルなんだ。
ドルの代わりになれるほど信頼されている通貨は、今のところ他には見当たらないというのが本当のところなんだね。
ハイブリッドな経済圏の到来
これからの世界は「アメリカ一強」でも「BRICS一強」でもなく、その時々で使い分けるような「ハイブリッド」な時代になっていくよ。
インドのように、アメリカとも仲良くしつつ、ロシアから安い石油を買うといった、どちらにも味方しない「第三の道」を選ぶ国が増えていくんだね。
これを「マルチアライメント(多角的な連携)」と呼ぶこともあるけれど、まさに大人の賢い生き方と言えるかもしれないよ。
私たちの生活への影響と心構え

こうした世界の大きな変化は、巡り巡って私たちの物価や投資にも関わってくるんだ。
「ドルの価値が下がるかもしれない」というニュースを聞いたときに、それがどうして起きているのか、背景を知っているだけでも見え方が変わるよね。
これからは一つの情報だけを信じるのではなく、世界を広く見て、柔軟に考えていくことが大切なんだよ。
大きな時代の変わり目に立っているけれど、怖がることはないよ。
知識を身につけて、世界がどう動こうとしているのかを理解すれば、自分なりの答えが見つかるはずなんだ。
新しい時代の波を乗りこなせるように、一緒にこれからも学んでいこうクマ!
