こんにちは、まなびクマだよ。
今日は私たちが住んでいるこの日本で、いつ起きてもおかしくないといわれている「南海トラフ巨大地震」について、科学的な視点から一緒に学んでいこうね。
地震はとても怖いものだけれど、その正体と、もしもの時に何が起きるのかを冷静に知っておくことは、自分や大切な人を守るための第一歩になるんだ。
バイエンス(VAIENCE)の動画をもとに、難しい話をできるだけ優しく紐解いていくから、最後までゆっくり読んでみてね。
海底で静かに溜まり続ける巨大な歪みの正体

まず、どうして南海トラフで大きな地震が起きるといわれているのか、その仕組みからお話しするね。
四国の南の海底には、深さおよそ4000メートルにもなる細長い溝のような地形があって、これを南海トラフと呼んでいるんだ。
ここでは、海側のフィリピン海プレート(Philippine Sea Plate)が、陸側のユーラシアプレート(Eurasian Plate)の下に、1年間に2センチメートルほどの速さでじわじわと沈み込んでいるんだよ。
たとえるなら、大きな消しゴムを机に押し付けながら横に滑らせようとすると、消しゴムの端っこが机に引っかかって、ぐにゃりと曲がってしまうようなイメージかな。
陸側のプレートは、海側のプレートに引きずり込まれる形で、少しずつ地下へと無理やり曲げられていっているんだ。
この「無理をしている状態」を歪みと呼ぶけれど、この歪みには限界があるんだよ。
限界まで耐えた陸側のプレートが、溜まりに溜まった力を一気に解放して、元の形に戻ろうと「ボーン!」と跳ね上がるんだ。
この跳ね上がった衝撃が、海水を押し上げ、地面を激しく揺らす巨大地震になるんだクマ。
フィリピン海プレートの移動は地球が生きている限り止まらないから、この場所に歪みが溜まって跳ね上がるという現象は、歴史上何度も繰り返されてきたんだ。
過去の記録を調べてみると、およそ100年から150年の間隔で、大きな地震が周期的に起きていることが分かっているよ。
前回の地震は、1944年の昭和東南海地震と、1946年の昭和南海地震だったけれど、それからすでに75年以上が経過しているんだ。
地震の発生間隔には幅があって、90年で起きたこともあれば、200年以上空いたこともあるけれど、いつ次の限界が来ても不思議ではない時期に入っているということなんだね。
刻一刻と高まる発生確率と多様な震源域

次に、私たちが特に気になる「いつ起きるのか」という確率について見ていこう。
地震調査委員会の予測によれば、今後30年以内にマグニチュード8から9クラスの巨大地震が発生する確率は、60パーセントから70パーセントと計算されているんだ。
ただ、注意してほしいのは、この数字は2013年時点のものだということなんだよ。
動画が作られた2021年の時点で、発表からすでに8年が経過しているから、現在はさらに確率が高まっていると考えられるんだね。
専門家の間では、確率は毎年およそ1パーセントずつ上昇していくと言われているよ。
「確率が7割」と聞くと、まだ3割は起きない可能性があるように感じるかもしれないけれど、これは自然災害の予測としては非常に高い数字なんだ。
また、南海トラフ地震には「多様性」という特徴があることも知っておいてほしいな。
ひとつの場所が揺れて終わりではなく、隣り合う震源域がドミノ倒しのように次々と連動して壊れる連動型地震になる可能性があるんだよ。
さらに怖いのは、記録に残っている最大の地震よりも、さらに大きな規模の地震が過去に起きていた可能性が、海底の堆積物の分析から見えてきていることなんだ。
内閣府の検討会では、考えられる最大クラスとしてマグニチュード9.1という凄まじい規模を想定しているよ。
これは100年周期のものよりももっと長い期間のサイクルで起きるものだと考えられているけれど、「想定外」をなくすために、国はこの最大級の被害を基準に対策を考えているんだね。
想像を絶する激しい揺れと津波のスピード

実際に地震が発生したとき、私たちの周りではどんなことが起きるんだろう?
最大クラスの地震が起きた場合、神奈川県から宮崎県にかけての広い範囲で震度6弱以上の猛烈な揺れが襲うと予想されているんだ。
沿岸部の一部では、これまでの観測史上でもほとんど例がない震度7に達する地域もあるとみられているよ。
震度6弱というのは、立っていることが難しくなり、耐震性の低い木造の建物は傾いたり倒れたりし始めるくらいの強さなんだ。
震度7ともなれば、最新の建物でも耐えきれずに倒壊してしまうものが増えてくるだろうね。
また、高層ビルの中にいる場合は、長周期地震動というゆっくりとした大きな揺れに注意が必要だよ。
これは地面のカタカタという細かい揺れとは違って、ビルの上の方を長時間にわたって船のように大きく揺さぶるんだ。
震源から離れた首都圏でも、ビルの高層階では家具が倒れたり、人が吹き飛ばされたりするほどの被害が出る可能性があるんだよ。
そして、何よりも警戒しなければならないのが津波だね。
東日本大震災の記憶が新しい人も多いと思うけれど、南海トラフ地震では、津波が陸地に届くまでの時間が圧倒的に短いのが特徴なんだ。
震源が陸地に近い場所にあるため、最短でわずか2分で第一波が到達すると予想されている地域もあるんだよ。
| 項目 | 南海トラフ巨大地震(想定) | 東日本大震災(実績) |
|---|---|---|
| 死者数 | 最大約32万3000人 | 約1万9000人 |
| 津波の高さ | 最高30メートル超 | 約16〜40メートル(局地的) |
| 津波到達時間 | 最短約2分 | 最短約25分 |
| 経済損失 | 約214兆円 | 約16.9兆円 |
ライフラインの崩壊と国家予算を超える経済損失

被害は直接的な建物の倒壊や津波だけにとどまらないんだ。
地震が起きた瞬間、私たちの生活を支えている電気、水道、ガスといったライフラインの多くが機能を失ってしまうよ。
被害が特に大きい地域では、すべてのライフラインのおよそ9割が停止すると予測されているんだ。
具体的には、およそ3440万人が断水し、2710万軒が停電するという、とてつもない規模の断絶が起きる可能性があるんだね。
水道が使えないとトイレも流せないし、電気が止まれば夜は真っ暗な中で過ごさなければならない。
固定電話やインターネットなどの通信も、930万回線以上が通じなくなると言われているから、家族の安否確認も非常に難しくなるだろうね。
さらに深刻なのは、こうした物理的な破壊が重なることで、日本全体の経済が大きなダメージを受けることなんだ。
バイエンスの動画で紹介されている推計では、経済的な被害額は合計で214兆円にも上るとされているよ。
これは日本の国家予算の2倍以上という、想像もつかないような金額なんだ。
道路が寸断され、工場が止まり、物流が麻痺することで、日本全体の経済活動が長い間、どん底に沈んでしまう恐れがあるんだね。
でも、この数字はあくまで「何もしなかった場合」の最悪のシナリオなんだ。
備えあれば憂いなし!私たちにできる準備

ここまでとても厳しい数字や予測を話してきたけれど、怖がらせるのが目的ではないんだよ。
大切なのは、こうした「敵」の姿を正しく知ることで、私たちの「備え」を万全にすることなんだ。
日本政府も手をこまねいているわけではなく、海底に精密な観測網を張り巡らせて、24時間体制でわずかな異変も見逃さないように監視を続けているんだよ。
もし南海トラフ付近でいつもと違う現象が観測されたら、「南海トラフ地震臨時情報」といった形で、私たちに注意を呼びかけてくれる仕組みも整えられているんだ。
でも、最後に頼りになるのは、やはり私たち一人ひとりの準備なんだね。
「備えあれば憂いなし」ということわざがあるけれど、これは本当にその通りなんだ。
- 1家の家具が倒れてこないように固定する
- 2最低でも3日分、できれば1週間分の水と食料を備蓄する
- 3避難場所までの経路を実際に歩いて確認しておく
- 4家族と、連絡が取れない時の待ち合わせ場所を決めておく
こうした地道な準備が、実際に「その日」が来た時に、あなたやあなたの家族の命を救う決定打になるはずだよ。
いつか来るかもしれない定めに怯えるだけではなく、今日からできることを一つずつ始めて、心に余裕を持っておきたいね。
みんなで知恵を出し合って、力強く生き抜いていこうクマ!
