SNS上で大きな注目を集めた株式会社レベラの事例をきっかけに、改めて「偽装請負」の問題が浮き彫りになっています。
同社は社員ゼロ、600名以上の業務委託という体制で運営されていますが、シンガポールへの「社員旅行」という表現が発端となり、実態は雇用ではないかという疑念を招きました。
専門家の視点から見れば、対外的な発信や社内制度の名称一つひとつが、税務署にとっては「雇用の証拠」に見えてしまうのです。
なぜ税務署はこれほどまでに業務委託を厳しくチェックするのでしょうか!
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それは、業務委託を雇用に切り替えさせることで、国は源泉所得税の徴収漏れや消費税の仕入税額控除の否認、さらには社会保険料の徴収など、多額の税収を確保できるからです。
企業側がコスト削減を狙って安易に業務委託契約を選択しても、実態が伴わなければ過去数年分に遡って膨大な罰金を科されるリスクがあります。

具体的に偽装請負を避けるためには、以下の手順を徹底する必要があります。
①実態に伴った「業務委託契約書」の締結:単なる雛形ではなく、責任の所在や仕事の進め方を明確にします。
②受託者からの「請求書」発行:毎月決まった固定給ではなく、成果や業務内容に基づいた請求プロセスを確立します。
③受託者本人による「確定申告」の徹底:受託者が個人事業主として自立していることが必須条件です。
④直接的な「指揮命令」の排除:時間や場所を厳格に拘束せず、成果物に対して対価を払う形を維持します。
多くの経営者が陥る落とし穴が、リクルートサイトやSNSでの表現です。
「入社」「福利厚生」「フレックス制度」といった用語を不用意に使うと、たとえ契約書が業務委託であっても、税務署は「これは実質的な雇用である」と判断します。

特に創業から3年程度経過した企業は税務調査のターゲットになりやすく、過去の投稿が全て裏目に出る可能性があるのです。
また、働く側の認識不足も深刻なリスク要因です。
若い層の中には業務委託と雇用の違いを理解せず、自分を「社員」だと思い込んでいるケースが少なくありません。
本人が税務調査で「自分は社員のつもりで働いていた」と証言してしまえば、企業側の防衛策は脆くも崩れ去ります。
福利厚生のような手厚い待遇は魅力的ですが、それを業務委託先に提供する場合は「交際費」として処理される可能性が高く、税務上の上限を超えれば経費として認められません。
経営者は、目先の節税や人材確保のしやすさだけでなく、コンプライアンスに基づいた適正な契約形態と、誤解を招かない対外的なブランディングを両立させる必要があります。


