現代のビジネスシーンにおいて、資料作成は多くの時間を費やす課題ですが、Googleの最新AIである Gemini (ジェミニ) と Google Apps Script (GAS) を組み合わせることで、このプロセスは劇的に短縮されます。
今回の動画では、SNSで大きな反響を呼んでいる「魔人式プロンプト」の考案者である魔人 (まじん) 氏をゲストに迎え、その圧倒的な再現性と実用性について、具体的な実演を交えて解説されました。
「魔人式プロンプト」の最大の特徴は、単にテキストを生成するのではなく、Google スライドを操作するためのコードをAIに書かせ、それを実行することでデザイン済みのスライドを自動生成する点にあります。
この手法を使えば、従来のスライド生成AIで課題となっていた「企業独自の環境で使えない」「デザインが崩れる」といった問題を解決しつつ、Googleのセキュアな環境内で高品質なプレゼン資料を完成させることができます。

具体的な手順は以下の通りです。
① Gemini のカスタムAI作成機能である Gem (ジェム) を開き、魔人氏が公開しているシステムプロンプトを「カスタム指示」として設定します。
② 次に、スライドにしたいテーマ(例:ChatGPTの仕組み)や、情報源となるテキスト、YouTubeの動画URLなどを入力し、GASコードの生成を指示します。
③ 数十秒で出力されるコードをコピーし、Google スライドの「拡張機能」から「Apps Script」を開いて貼り付けます。
④ 実行ボタンをクリックし、権限を承認するだけで、テキスト、色、配置、さらにはスピーカーノートまで備えたスライドが1枚ずつ構築されていきます。
プロンプトの設計思想について、魔人氏は「AIにデザインそのものを考えさせるのではなく、あらかじめ用意した10種類のレイアウトパターンのどれを適用すべきかを判断させる」というワークフローを定義しています。
まずユーザーの情報をチャプター、セクション、ポイントの3段階に分解し、論理的なプレゼン構造へと整理します。
その後、各ページに最適なテンプレートをAIが選択し、データを流し込むことで、エラーの少ない安定した出力を可能にしています。
さらに、画像やロゴの自動挿入にも対応可能です。
Obsidian Web Clipper (オブシディアン・ウェブクリッパー) などを使い、画像URLが含まれた情報をインプットすることで、AIが画像付きのスライドを作成できます。
また、プロンプト内のHTML/CSS部分を書き換えるだけで、会社のブランドカラーやロゴの位置を固定した、組織専用の資料作成ツールへとカスタマイズすることも容易です。
動画の後半では、けいたろう (Keitaro) 氏による「GenSpark (ジェンスパーク) などの外部AIツールで生成したHTMLを、GASへ変換してGoogle スライドに落とし込む」という高度な応用例も紹介されました。

外部ツール特有の優れたデザイン性を維持しながら、最終的なアウトプットを汎用性の高いGoogle スライド形式で管理できるこの手法は、ビジネス活用の幅をさらに広げるものです。
魔人氏は、この画期的なプロンプトを無料で公開した理由として、「多くの人に使ってもらい、ユーザーが独自に改良したアイデアがフィードバックとして戻ってくることを期待している」と語っています。
実際に、コミュニティ内では「エラーが発生しても実行を止めないエラーハンドリングコード」の追加など、有志によるブラッシュアップが続いています。
最後に、動画内ではスライド資料だけでなく、デジタル絵本のようにページをめくる体験ができる「魔人式ストーリーブック」という新たな活用事例も披露されました。
これは Gemini のコード生成能力をフルに活かしたビジネスツールであり、名刺代わりのポートフォリオや、魅力的な会社紹介資料としての活用が期待されています。
このように、AIを単なるチャット相手ではなく「ツールの制御者」として活用する考え方は、今後の業務効率化において不可欠なスキルとなるでしょう。
まずは公開されている「魔人式プロンプト」をコピー&ペーストし、自身の業務でその衝撃的なスピードを体感してみることから始めるのが、最短のAI活用ロードマップと言えます。


