小学校5年生の算数は、その後の算数・数学の成否を分ける極めて重要なターニングポイントです。
元小学校教師の小川慶太(おがわけいた)氏は、1年分の学習内容を約90分で凝縮して解説し、忙しい現代の学習者が最短ルートで理解を深めるためのノウハウを提示しています。
まず、小数の掛け算・割り算における「小数点の移動」という基本を徹底します。
例えば「7.5 ÷ 1.25」のような計算では、割る数を整数にするために小数点を2桁動かし、「750 ÷ 125」として計算する手順を正確に行うことがミスを防ぐ鍵となります。
同様に「6.12 ÷ 3.4」も「61.2 ÷ 34」へと変換します。
この操作の習熟が、計算精度の向上に直結します。
次に、数の性質である「公倍数と公約数」についてです。
12と15の最小公倍数を求める際、倍数を書き出して共通の最小値(60)を見つける手法を学びます。
また、27と36の最大公約数を求める例では、1, 3, 9といった共通の約数から最大のもの(9)を導き出します。

これらの知識は、次章の「分数の通分」において不可欠なスキルとなります。
分数の計算では、分母が異なる場合の足し算・引き算を扱います。
例えば「3/5 + 1/2」であれば、最小公倍数の10で分母を揃え、「6/10 + 5/10 = 11/10」と導きます。
引き算も同様の手順を踏み、答えが約分できる場合は必ず最小の分数に整える(約分する)習慣を身につけることが求められます。
図形領域では、平行四辺形、三角形、台形、ひし形の面積公式を整理します。
特に台形の面積「(上底 + 下底)× 高さ ÷ 2」や、ひし形の「対角線 × 対角線 ÷ 2」は、なぜその式になるのかという図形的な意味を理解することが忘却を防ぐコツです。
具体例として、上底6cm、下底10cm、高さ12cmの台形なら「(6+10) × 12 ÷ 2 = 96平方センチメートル」と算出します。
さらに、立体の体積(縦 × 横 × 高さ)や、三角形の内角の和(180度)、四角形の内角の和(360度)を用いた角度計算も重要です。
円周の計算では「直径 × 円周率(3.14)」を使用します。

直径6cmの円であれば「6 × 3.14 = 18.84cm」となります。
半径と直径を混同しないよう注意が必要です。
5年生最大の難所と言われる「割合」と「百分率」では、0.5が50%であることを基本に、文章題を解くための「くもわ(比べられる量・もとにする量・割合)」の図を活用します。
3600円の25%引きを求める場合、まず「3600 × 0.25 = 900」を求め、元の金額から引いて2700円とする、あるいは最初から「3600 × 0.75」で計算する論理的な思考を養います。
最後に「速さ」と「単位量あたり(こみぐあい)」です。
「みはじ(道のり・速さ・時間)」の関係性を整理し、分速65mで7分間進む道のりは「65 × 7 = 455m」と導きます。
単位量あたりでは、砂場の広さと人数を比較し、1平方メートルあたりの人数を算出することで、どちらが混んでいるかを客観的に比較する視点を持ちます。
これら12項目を体系的に復習することで、算数の全容を把握できる構成となっています。


