不動産取引の入り口となる「媒介契約」は、宅建試験において極めて重要な得点源です。
本講義では、実務経験豊富な視点から、テキストを読み込む時間を省いて即座に問題が解けるようになるためのエッセンスを凝縮して解説します。
まず、媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類が存在することを理解してください。
一般媒介は最も自由度が高く、複数の業者に重ねて依頼が可能です。
一方で、専任媒介と専属専任媒介は1社にのみ依頼を限定するものであり、その分業者に対して厳しい義務が課されます。
この「自由度」と「制限」のバランスを把握することが、学習の第一歩となります。
ここからは、試験で狙われる5つの急所を深掘りしていきましょう。
ポイントの1つ目は「有効期間の制限」です。
専任媒介と専属専任媒介の場合、契約期間は3ヶ月以内と定められています。
もし仮に4ヶ月や1年といった長期の契約を結んだとしても、その契約が無効になるわけではありません。
法律上、一律に3ヶ月へと短縮されるという仕組みです!
ここでの引っかけ問題として「無効になる」という選択肢がよく出ますが、正解は「3ヶ月に短縮」であることを覚えておきましょう。
なお、2ヶ月などの短い期間設定はそのまま有効です。

また、この期間制限は売買・交換にのみ適用され、貸借の媒介には適用されないという点も、非常に間違いやすいポイントです。
ポイントの2つ目は「業務処理状況の報告」です。
業者は依頼主に対し、現在の売却活動がどうなっているかを報告する義務があります。
一般媒介にはこの義務がありませんが、専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上の頻度で報告が必要です!
報告方法は口頭でも法的には問題ありませんが、実務ではエビデンスを残すために書面やメールが一般的です。
また、購入の申し込み(買い付け)が入った際は、次回の定期報告を待つのではなく、遅滞なく報告する義務が別途存在します。
申し込み金額が希望価格に届かない場合でも、報告を怠ってはなりません。
ポイントの3つ目は「指定流通機構(レインズ)への登録」です。
レインズは不動産業者専用の物件データベースです。
一般媒介では登録義務はありませんが、専任媒介は7日以内、専属専任媒介は5日以内に物件情報を登録しなければなりません。
この日数計算には「休業日」を除外して数えるというルールがあります。
登録完了後、発行される「登録を証する書面」を遅滞なく依頼者に引き渡すことも重要な義務の1つです。
また、成約した場合には、一般媒介であっても(レインズに登録していたならば)成約通知を行う必要があります。

これを怠ると、市場に古い情報が残ってしまうため、非常に厳格に管理されています。
ポイントの4つ目は「価格についての意見の根拠」です。
業者が査定価格を提示する際、なぜその価格なのかという根拠を明示しなければなりません。
この根拠明示も口頭で認められており、必ずしも不動産鑑定評価のような専門的な書面を用意する必要はありません。
ただし、根拠なく価格を操作することは禁じられています。
最後の5つ目は「媒介契約書の交付」です。
媒介契約を締結した際は、遅滞なく書面を作成し、業者の記名押印をして依頼者に交付しなければなりません。
ここで注意すべきは、宅建士の記名押印は必須ではないという点です!
宅建業者の責任において交付すれば足りるため、35条書面(重要事項説明書)や37条書面(契約書)との違いを明確に区別しておきましょう。
以上のポイントを整理した上で、「棚田式分野別過去問題集」の該当箇所を解くことで、知識は完全に定着します。
まずは問題を解き、間違えた箇所を動画で再確認する。
このサイクルこそが最短合格への道筋です。


