日本の首都であり、地方自治体の模範となるべき東京都において、信じがたい税務不祥事が発覚しました。
今回の問題の核心は、東京都の「特別会計」の一つである「都営住宅等事業会計」において、21年間もの長きにわたり消費税の申告・納税が一切行われていなかった点にあります。
一般会計は消費税の納税義務がありませんが、特定の事業を行う特別会計は事業者として納税義務が生じる場合があります。
東京都はこの基本的な区分を無視し続けていたのです。
なぜこれほど長期間放置されたのでしょうか?
きっかけは2023年10月に開始されたインボイス制度でした。
この制度に対応するため、東京都が当該の特別会計で登録番号を取得した際、国税局のチェックが入り「これまではどうなっていたのか」という疑問が呈されたことで未納が明るみに出たのです。
つまり、インボイス制度という外圧がなければ、この巨大な未納は永遠に隠され続けていた可能性さえあります。
東京都側は「消費税制度への理解が甘かった」と釈明していますが、この言い訳は通用しません!
過去には山口県や広島県でも特別会計の消費税未納が発覚し、監査報告書が公表されています。
他自治体の失敗から学ぶ機会は幾らでもあったはずです。
さらに衝撃的な事実は、外部の「トマ税理士法人」が以前から都に対して消費税の納税義務について指摘を行っていたという点です。

専門家の警告を組織として無視、あるいは握りつぶしていたのであれば、それは「過失」ではなく「隠蔽」に近い性質を帯びてきます。
また、国税局の対応にも疑問が残ります。
なぜ2023年の時点で把握できたはずの指摘が、2年も遅れて今になったのでしょうか?
ここには政治的な力学が働いていたのではないかという疑念が拭えません。
直近では東京都知事選挙や都議会議員の補欠選挙が行われていました。
このような巨大な不祥事が選挙前に公表されれば、現職や与党勢力にとって致命的なダメージになることは明白です。
疑惑を回避するために公表時期をずらしたのではないかという推測は、極めて合理的と言わざるを得ません。
納税額の精算についても、国民の納得感は得られないでしょう。
日本の税法には「時効(除斥期間)」が存在します。
悪意のない申告漏れの場合、遡れるのは5年分が限界です。
そのため、21年分の未納があっても、東京都が支払うのは直近の5年分のみとなります。

残りの16年分については、都民・国民の血税が実質的に失われた形となり、行政が法制度を逆手に取って逃げ切るような構図になっています。
この問題は「義務教育の敗北」とも言える側面を持っています。
もし都の職員一人ひとりに最低限のマネーリテラシーや税の知識があれば、現場から疑問の声が上がり、自浄作用が働いたはずです。
公務員という立場でありながら、国民に課す税金の仕組みを理解していないという実態は、日本の教育制度そのものの課題を浮き彫りにしています。
私たちは、この事件を単なるニュースとして聞き流してはいけません!
東京都議会では、公認会計士の資格を持つ「さとうさおり」都議がこの問題に鋭く切り込んでいます。
彼女の質問に対し、都側の回答は極めて不明瞭で、核心を避けるような態度に終始しています。
こうした議会のやり取りを注視し、次の選挙での投票行動に反映させることが、主権者である私たちにできる唯一の対抗策です。
結局のところ、国や自治体が自分たちを守ってくれるという幻想は捨てるべきです。
複雑な税制や社会保障制度の中で、搾取されずに生き抜くためには、自分自身で知識を蓄えるしかありません。
東京都の不祥事は、私たち一人ひとりに「マネーリテラシーを高めよ」という強烈な警告を発しているのです。


