現在、米国株式市場は極めて不安定な局面を迎えています。
先週1週間の主要3指数を振り返ると、Dow Jones Industrial Average (ダウ平均) は7.9%安の3万8314ドル、S&P 500は9.1%安の5047、NASDAQ Composite (ナスダック総合) は10%安の1万5587と、軒並み急落を記録しました。
この背景には、米国の相互関税導入に対して中国が報復関税で応酬するなど、貿易戦争の激化による世界同時不況のリスクが顕在化したことがあります。
具体的には、中国政府はトランプ政権が発表した34%の相互関税に対し、米国からの全輸入品に同率の追加関税を課すと発表しました。
加えて、EV(電気自動車)に不可欠な Dysprosium (ジスプロシウム) を含む7種類のレアアースの輸出規制も導入しています。
これに対し、カナダの Justin Trudeau (ジャスティン・トルドー) 首相も自動車への25%報復関税を表明するなど、かつての安定した貿易関係は崩壊の危機に瀕しています。
しかし、バフェット太郎氏は「富の源泉は弱気相場にある」と断言し、この暴落こそが資産を最大化させるチャンスであると指摘しています。
投資家の不安心理を示す VIX (ビックス) 恐怖指数は一時45.61と、2024年8月以来の高水準を記録しました。
S&P 500が1週間で9%以上下落するのは2020年3月のコロナショック以来5年ぶり、金融危機を除けば17年ぶりの事態です。
歴史を振り返ると、VIX指数が45を超えた場面(2010年5月、2011年8月、2015年8月、2018年2月、2020年3月、2024年8月)は、いずれも底打ちのタイミングに極めて近く、現在は長期的な買い場と判断できます。

ただし、買い向かうべき対象は米国株だけではありません。
欧州や中南米、東南アジアといった地域に目を向ける必要があります。
メキシコの Claudia Sheinbaum (クラウディア・シェインバウム) 大統領やアルゼンチンの Javier Milei (ハビエル・ミレイ) 大統領は、報復関税を見送る姿勢を見せており、中南米は貿易戦争の影響を最も受けにくい安全な投資先の一つとなっています。
また、欧州はインフレ再燃の懸念から報復に慎重であり、結果として貿易戦争の激化リスクが低い地域と言えます。
さらに、ベトナムの Tô Lâm (トー・ラム) 共産党書記長は米国製品への関税撤廃に前向きな姿勢を示すなど、アジア諸国も交渉次第で影響が軽減される可能性があります。
米国と中国の2カ国が対立し合う影で、それ以外の地域が「漁夫の利」を得る構図が浮かび上がっています。
今後はこれらの地域にグローバルな投資マネーが流入し、新しい投資ブームが形成されると考えられます。
米国株に関しては、今後「長期停滞局面」を迎えるリスクに注意が必要です。
投資ブームは10年単位で循環します。
70年代の金、80年代の日本株、90年代の米国株、2000年代の新興国株、そして2010年代の米国株と主役が入れ替わってきました。

現在、米国株はバリエーションが割高であることに加え、景気後退とインフレが同時進行する Stagflation (スタグフレーション) の懸念もあり、向こう5年間は投資妙味が薄い可能性があります。
資産形成を目的とした S&P 500や eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)への積立投資は継続すべきですが、インフレ調整後の「実質リターン」を意識せねばなりません。
1968年の Nifty Fifty (ニフティ・フィフティ) 相場崩壊後、S&P 500が実質ベースで元の水準を回復するまでに26年を要した歴史があります。
今の水準を回復するのに20年以上かかる可能性も踏まえ、ポートフォリオの一部をバリエーションが割安な欧州株や新興国株へ振り向ける戦略が有効です。
バフェット太郎氏自身も、ヤマワケエステートや COZUCHI (コヅチ) といった不動産投資型クラウドファンディングに数千万円単位で投資し、資産の分散を図っています。
また、複数の証券口座を一元管理できる カビュー (カビュウ) などのツールを活用し、自身のポートフォリオのリスク配分を可視化することも、現在の不安定な市場を生き抜くためには極めて重要です。
結論として、米国株の暴落は短期的な底打ちを示唆していますが、中長期的な投資の主役は欧州や中南米へとシフトしつつあります。
地味で退屈な米国銘柄を何十年も持ち続ける Warren Buffett (ウォーレン・バフェット) 流の戦略も一つの正解ですが、次なる10年の成長を取り込むためには、視野を世界へ広げ、割安な資産を組み入れる柔軟性が求められます。
混乱期こそ冷静にデータを分析し、次のブームに備えることが投資家としての成功への道です。


