【事業成功のコツ】既存の客単価を10倍にした「ラクスル」の“勝ち筋”。創業メンバーが語る、新規事業立ち上げの極意とは?(守屋実:実戦・新規事業創出)【NewSchool】

NewsPicks /ニューズピックス📅 2023年7月23日 公開

守屋実に学ぶ新規事業の成功法則とは?ラクスル客単価10倍の勝ち筋を要約

この動画から学べる学習ポイント

  • 11%の実行者になるための行動原理
  • 2ミスミから継承した標準化の思考法
  • 3ラクスルが実践した4段階の事業開発手順
  • 4客単価を10倍に跳ね上げた勝ち筋の発見
  • 5仮説検証を繰り返す高解像度な実務ポイント

主要トピック

01

マインドセットの変革

  • やらないことは「マイナス1」の損失である
  • 1%の実行者だけが成功への切符を手にする
  • 行動することでしかスキルは獲得できない
02

ラクスルの4フェーズ検証

  • 価格比較サイトで市場のニーズを可視化
  • 身内への提供を通じてオペレーションを磨く
  • ABテストを繰り返し、UIの最適解を導き出す
03

収益性を爆上げする戦略

  • 印刷単体ではなく、配布までの工程を統合する
  • 顧客の煩雑な手間を省き、圧倒的利便性を提供
  • シェアリングモデルで「持たざる経営」を実現
04

成功へのアクションプラン

  • まずは最小コストで仮説検証を開始する
  • 顧客の「読んでいない、見ている」特性を理解する
  • 現場の解像度を上げ、勝ち筋を特定するまで粘る

この記事のまとめ図解

新規事業の心構えや、ラクスルの検証プロセス、客単価を上げる勝ち筋を1枚で整理しています。

守屋実に学ぶ新規事業の成功法則とは?ラクスル客単価10倍の勝ち筋を要約 - 1分でわかるスライド要約 (manabi)

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詳細な解説記事 - ここを読むと
一気に理解度が深まります

挑戦を阻む心理的障壁と実行力の真価

守屋実に学ぶ新規事業の成功法則とは?ラクスル客単価10倍の勝ち筋を要約 - 導入 イラスト

1%の実行者だけが掴む成功の切符

新規事業を成功させるために最も必要な要素は、卓越したアイデアでも潤沢な資金でもなく、「やる」という選択を継続することにあります。

多くの人は、素晴らしいアイデアを思い付いたとしても、実際に手を動かす段階で立ち止まってしまいます。

新規事業家の守屋実氏は、大学卒業後に株式会社ミスミに入社し、その後は新規事業の専門会社であるエムアウトを創業、さらにはラクスルやケアプロの立ち上げに参画するなど、30年間で50を超える新規事業を世に送り出してきました。

その守屋氏によれば、世の中の99%の人は行動に移さず、実際に挑戦するのはわずか1%に過ぎません。

この「1%の枠」に入ることこそが、成功への唯一の切符となります

「やらない」という選択が招く停滞の習慣

多くの人は「挑戦しないこと」を現状維持、つまりプラスマイナスゼロだと考えがちですが、守屋氏はこれを明確に否定します。

一度「やらない」という選択をすると、その場に留まることが習慣化してしまい、次第に動けなくなっていきます。

これを守屋氏は「マイナス1の獲得」と表現しています。

逆に、一歩を踏み出した人は二歩目、三歩目が出やすくなり、行動の加速度が増していきます

10回連続で「やらない」という選択を積み重ねた人は、1回だけ見送った人よりも遥かに強固に「やらない自分」を構築してしまいます。

この微細な差が、数年後には決して埋めることのできない巨大な差となって現れるのです。

今ない新しい価値を作り出し、満たされていない誰かを満たすためには、変化し続ける力が不可欠です。

「最初からできる人も、最初からダメな人もいない。できる人は、やったからできるようになっただけだ」

💡できない人は、能力が低いのではなく「やらないこと」が身についてしまっているだけです。やった人はやれるようになり、やらない人はどんどん動けなくなるという、残酷なまでの二極化が現実には存在しています。

株式会社ミスミから受け継いだビジネスの型

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製造現場の非効率を打破した標準化の力

守屋氏のキャリアの原点には、株式会社ミスミで培ったビジネスモデルがあります。

守屋氏が紹介する1969年や1977年といった高度経済成長期の日本の製造現場は、非効率の極みにありました。

当時の一般的な取引プロセスは以下の通りです。

  • 顧客が「これを買いたい」と言えば、営業マンが介在する
  • 各社にFAXなどで相見積もりを取る。
  • 人的な相対取引で図面を発注する。

しかし、この図面というのが非常に厄介で、設計者の個性が豊かすぎるあまり、図面通りに物が作れないといったトラブルが日常茶飯事だったのです。

見積もりに時間を費やし、都度製造してロットで納品するこのプロセスは、コストが高く、納期も不安定で、品質にばらつきが出るのが当たり前の時代でした。

この「不」を解消したのが、ミスミが導入したカタログ通販による標準化です。

圧倒的なオペレーションと即納体制の構築

例えば、鉄板に丸い穴を開けるためには、棒状の「オス」の部品と穴が開いた「メス」の部品で鉄板を挟み込む必要があります。

当時、トヨタ用と日産用で同じ3cmの穴であっても規格がバラバラだったものを、ミスミは「3cmの穴は3cmである」と定義し、標準品としてカタログ化しました。

これにより、顧客は品番一つで発注できるようになり、価格も明示されました。

さらに、ミスミは「在庫を持つ」という戦略を取りました。

海外などで大量生産した半完成品を安く在庫しておき、注文に応じて追加工を施して即納する。

驚くべきことに、1本8円という低価格の商品であっても、注文を受けてから追加工を施し、送料込みで当日出荷するという圧倒的なオペレーションを作り上げたのです。

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項目従来の取引(1970年代)ミスミのモデル
発注方式図面による都度見積もりカタログ品番による発注。図面精査の工数を削減し、効率化を極めました。
納期数週間〜数ヶ月最短当日出荷。追加工を施した上でのスピード納品は、当時の業界に衝撃を与えました。
価格不透明・交渉次第定価による明示。1本8円の商品を送料込みで届けるといった、全体最適の価格設定です。
製造ロット生産単品からの即納。在庫を持つことで、多品種少量生産のニーズに完璧に応えました。

この「標準化」と「シェアリング」の思考こそが、後にラクスルの土台となりました。

既存の非効率な業界構造を特定し、そこに標準化というメスを入れることで、新しい価値を創出する。

この再現性のあるフレームワークが、50以上の事業を生み出す原動力となったのです。

ミスミが金型で実現したことを、守屋氏は印刷の世界で再現しようと考えたのです。

ラクスルが辿った4段階の事業開発プロセス

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緻密な検証プロセスによるリスクの最小化

新規事業を立ち上げる際、いきなり多額の資金を投じてシステムを構築するのは極めてリスクが高い行為です。

守屋氏は、エムアウトで培った「開発・推進・参入」の3ステップを、より細分化した4つのフェーズで実行しました。

ラクスルが上場までに78億円を調達し、50億円もの資金を溶かした裏側には、単なるギャンブルではない、石橋を叩いて渡るような緻密な検証プロセスが存在していました。

自分たちが考えたアイデアは、最初から当たることなどまずないという前提に立ち、仮説立てと実証を繰り返すことが何よりも重要です。

市場の解像度を高める4つのフェーズ

  1. 1ポータルサイト期(グレー)最初に取り組んだのは、印刷価格の比較サイトです。ECサイトの構築には膨大な費用がかかるため、まずは在庫を持たず、システムも最小限にして「印刷価格比較ドットコム」のようなサービスを開始しました。これにより、月間20万人のユーザーが何を求めているのか、1,000社の印刷会社が何を得意とし、何ができないのかという「市場の解像度」を極限まで高めることができました。
  2. 2基本構造確認期(ピンク)市場のニーズが見えてきた段階で、次に「本当にネットで注文が来るのか」「提携した印刷会社は指示通りに印刷するのか」といった、ビジネスの最小単位の骨格を確認しました。印刷業界は多重下請け構造になっており、二つ折りの機械がないために他社へ回すといった実態も、この段階で深く理解することができました。
  3. 3身内検証期(黄色)勝ち筋を探るため、守屋氏が役員を務めるケアプロなどの関連会社に限定して、実際に注文を流し込みました。ここではUIやUXの徹底的なABテストが行われました。例えば、注文ボタンはオレンジと緑のどちらがクリックされるのかを検証した結果、オレンジが緑の1.3倍の成果を出すことが判明しました。
  4. 4本格参入期(緑)確固たる勝ち筋が見えた段階で、調達した資金を一気に投入して市場を獲りにいきました。前月比30%成長という驚異的な伸びを継続できたのは、これまでの地道な検証によって、顧客が何を求めているかを完全に見極めていたからに他なりません。

自分たちが考えたアイデアは、最初から当たることなどまずない

だからこそ、ギャンブルを避けるための検証手順が不可欠である

⚠️注意:ECサイトは魔法のツールではありません。実際には構築や維持に多額のコストがかかります。最初から完璧を目指すのではなく、まずはポータルサイトのような形態で、顧客と供給側の実態を徹底的に学ぶ「開発」のステップを飛ばさないようにしてください。

客単価を10倍に変えた勝ち筋の発見

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顧客の「面倒」を解決するビジネスモデルの転換

ラクスルの真のブレイクスルーは、「印刷だけ」を請け負うモデルからの脱却にありました。

顧客の行動を詳細に観察すると、チラシを印刷した後の「配布」に大きな課題があることが分かりました。

例えば、丸の内にお花屋さんをオープンしようとする人が、予算10万円でチラシを配りたいと考えたとします。

その人は印刷会社に見積もりを取り、さらにポスティング会社にも見積もりを取らなければなりません。

もし予算を超えてしまったら、部数を減らすために両社と再調整を行うという、非常に面倒な作業を強いられていたのです。

守屋氏はこの点に着目し、印刷とポスティングを画面上でワンクリックで完結させる仕組みを導入しました。

地域を選び、予算に合わせてクリックするだけで、自動計算によって即座に金額が提示されるストレスのない仕組みです。

この利便性が顧客に支持された結果、1枚1円程度の印刷単価が、配布まで含めることで1枚10円へと跳ね上がりました。

つまり、顧客の面倒を一手に引き受けることで、客単価を10倍にするという魔法を成し遂げたのです。

印刷から配布までを統合する独自の価値

これは単なる価格競争ではなく、顧客の「一区切り」の業務を丸ごと解決したからこそ可能になった、代替不可能な独自の価値です。

  • 前工程の共通化デザインテンプレートなどのクリエイティブ領域をサポートし、発注の心理的ハードルを下げました。
  • 後工程の統合印刷した後のポスティングや新聞折込までを一つのサービスとして統合しました。
  • 持たざる経営自社工場を持たず、全国の印刷会社の非稼働時間をシェアリングすることで、仮想的に日本最大の工場を作り上げました。
🎯ゴール:競合他社が自社工場の稼働率を上げることに必死になっている間に、顧客が真にやりたいこと(集客や配布)に焦点を当てます。顧客にとっての「一区切り」にサービスを合わせた瞬間、その事業は唯一無二の存在になります。

成功を引き寄せる執念と解像度の高め方

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現場の試行錯誤から得られる本質的な気づき

最後に、新規事業を形にするために不可欠なのは、現場での泥臭い試行錯誤と、徹底的に細部を詰め切る執念です。

ラクスルの検証プロセスでは、顧客がいかに「文字を読んでいないか」という現実を突きつけられました。

顧客の反応は以下のように変化しました。

  • 名刺印刷、チラシ印刷と文字で書くだけでは問い合わせが止まらなかった。
  • 名刺やチラシの「絵」をアイコンとして添えただけで、問い合わせが激減した

顧客は文字を読んでいるのではなく、直感的にサイトを「見ている」だけなのです。

こうした本質的な気づきは、現場でのABテストや身内検証を死ぬほど繰り返した者にしか得られません。

実行し続ける執念が事業を昇華させる

守屋氏は、「前人未到のアイデアなど存在しない」と断言します。

あなたが思い付いたことは、世界の誰かも必ず思い付いています。

しかし、その99%の人は行動せず、残りの1%だけが実行に移します。

さらに、その実行した人たちの中でも、最後まで解像度を高めてやり抜く人は極めて稀です。

最初から全てが見通せるスーパーマンなど存在しません。

ピンクや黄色のフェーズで死に物狂いになって現実と向き合い、仮説と検証を繰り返す中で、ようやく卓越した事業へと昇華していくのです。

🔑鍵:優れた戦略よりも、まずは一歩を踏み出す勇気。そして、踏み出した後も「なぜ?」を問い続け、顧客の反応を数値で捉え、細部を詰め切る執念が、事業の成否を分ける決定打となります。
チェック:
あなたは今日、新しい価値を創造するために、マイナス1ではなくプラス1の行動をとりましたか?
その事業は、顧客が抱えている「面倒な一区切り」を、ワンクリックで解決できるほど単純化されていますか?
アイコン一つ、ボタンの色一つに至るまで、顧客の視線に合わせた検証を済ませていますか?

本気の人は、必ず成功する。

今ない新しい価値を作りに行く力が、未来を切り拓く

💪 行動:アイデアを頭の中に留めておくのは今日で終わりにしましょう。

1%の実行者になるために、まずは最小限のコストで市場の反応を確かめる「ポータルサイト」的な検証からスタートしてください

その一歩が、数年後のあなたを盤石な成功へと導くはずです。

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よくある質問

Q1.未経験からでも新規事業で成功できますか?

結論は、行動の積み重ね次第で可能です。

守屋氏が述べるように、最初からできる人はおらず、やった人だけができるようになります。

まずは小さな一歩(ポータルサイト構築など)から始め、現場での仮説検証を通じて解像度を高めていく姿勢が、経験の差を埋める唯一の道です。

Q2.客単価を上げるためのヒントを教えてください。

結論は、顧客の「業務の一区切り」を丸ごと引き受けることです。

ラクスルの例では、印刷だけでなくその後の配布まで統合することで、単価を10倍にしました。

自分のサービスが顧客の目的(例:集客)に対してどの段階を担っているかを把握し、その前後を統合できないか検討することが重要です。

Q3.検証段階で資金を使い果たさないための工夫は?

結論は、アセットライト(資産を持たない)な検証を優先することです。

いきなり高額なECサイトを作るのではなく、既存のツールやポータルサイト形式で需要を確認しましょう。

ラクスルのように「自分たちが考えたことは当てにならない」という前提に立ち、最小単位のABテストで実証データを集めることが、無駄な投資を防ぐ鍵となります。

Q4.勝ち筋が見つからない時はどうすればよいですか?

結論は、現場の解像度を極限まで高めるまで検証を続けることです。

ボタンの色やアイコン一つでユーザーの行動が変わるように、小さな違和感やニーズを徹底的に観察してください。

誰かが既に思いついているアイデアであっても、実行の精度で差をつけることが、結果として独自の勝ち筋に繋がります。

Q5.大企業の中で新規事業を立ち上げる際の注意点は?

結論は、外部の成功事例や「標準化」の思考を取り入れることです。

既存の社内ルールに縛られすぎず、ミスミのように「業界の不」をどう解消できるかに集中してください。

また、初期段階では大きな予算を求めず、小さな成功を積み重ねて社内の信頼を獲得するプロセスが有効です。

作成者

manabi編集長「売る前の情報設計」の案内人

会社員時代、合計売上100億円超の会社で「売る前」の配信に出会いました。独立後は自分の販売で再現し、累計500人以上・20億円超の販売に携わっています。売る前に何を届けておくかを整えると、同じ商品でも受け取られ方が変わります。その設計と、言葉と導線の磨き方をお伝えしています。

記事の内容は作成者が管理しています。manabiは作成ツールを提供しています。

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