現代の投資市場において最も注目されていた NVIDIA (エヌビディア) の四半期決算が発表されました。
結果は、EPS (1株当たり利益) が予想85セントに対して89セント、売上高が予想381億6000万ドルに対して393億3000万ドルと、主要項目すべてで市場予想を上回る良好な内容でした。
しかし、これを受けて株価は時間外取引で下落。
この背景には、投資家が実績の上振れ幅(サプライズ)の縮小に失望しているという事実があります。
かつての圧倒的な勢いが影を潜め、市場にはAIブームの先行きに対する「警戒信号」が灯り始めています。
歴史を振り返れば、2000年代のドットコムバブル崩壊時も、インターネット市場自体は拡大を続けたものの、ハイテク株は長期の停滞局面を迎えました。
現在の NVIDIA (エヌビディア) も同様の道を辿るリスクがあります。
特に、日足チャートでは50日移動平均線を下回るなど、テクニカル面でも勢いの衰えが顕著です。
AI市場の拡大と株価の上昇は必ずしも一致しないという教訓を、今一度肝に銘じるべきでしょう。
米国経済全体に目を向けると、マクロ指標の悪化が目立ちます。
2月の消費者信頼感指数は98.3と予想を大幅に下回り、4ヶ月連続の低下を記録しました。
特筆すべきは、1年後の株価上昇を期待する消費者の割合がコロナ危機以来の低水準まで急落している点です。

トランプ政権の貿易政策によるインフレ再燃への懸念が、消費者心理に冷や水を浴びせています。
消費者が将来を悲観すれば、高額耐久財やレジャーへの支出が抑制され、経済は負のスパイラルへと突入します。
このような状況下、FRB (連邦準備制度理事会) はインフレ抑制と景気交代の狭間で難しい舵取りを迫られています。
しかし、歴史的にFRBはインフレ退治を優先する傾向があり、その結果として米経済は緩やかな景気交代へと向かう可能性が高いと言えます。
ただし、現在の政策金利には十分な利下げ余地があるため、2008年の金融危機のような壊滅的な暴落ではなく、20%程度の調整に留まるというのが現実的な見通しです。
投資戦略の核心は「主役の交代」にあります。
投資の世界では、およそ10年ごとに主役となる資産が入れ替わります。
1990年代は米国株、2000年代は新興国株、2010年代は再び米国株が市場を牽引してきました。
景気交代局面は、この主役が入れ替わる絶好のタイミングです。
次のサイクルでは、ドルの信認低下を背景に、India (インド) や Vietnam (ベトナム) といった新興国株、そして金 (ゴールド) 関連資産が有望視されます。
米国株一本足打法からの脱却を検討すべき時期が来ています。
一方で、ヘッジファンドや投資信託が現在も注目している特定の個別銘柄には注目すべきです。

Visa (ビザ) や Mastercard (マスターカード)、Spotify (スポティファイ)、そして AppLovin (アプラビン) といった銘柄は、巨額の投資マネーが向かう先として挙げられています。
特に AppLovin (アプラビン) は直近の急落で調整が入っていますが、決算内容は極めて良好であり、将来的な利下げサイクルへの移行に伴う「金融相場」での再浮上が期待されるため、絶好の仕込み時となる可能性があります。
仮想通貨市場では、Bitcoin (ビットコイン) が1月の最高値から2割超の下落を見せました。
これには、Bybit (バイビット) でのハッキングによる巨額流出事件や、景気後退懸念によるリスク回避の動きが影響しています。
しかし、S2F (ストック・トゥ・フロー) モデル等の予測モデルに基づけば、8万ドル台は底打ちが近い水準であり、長期的には10万ドル超えを目指す強気シナリオは崩れていません。
短期的なノイズに惑わされず、長期的な価値を信じることが肝要です。
最後に、資産配分の鉄則について触れます。
Bitcoin (ビットコイン) はボラティリティが非常に高いため、ポートフォリオ全体の1%から5%の範囲に留めるのが賢明です。
仮に5%の保有分が半値になっても、資産全体へのダメージは2.5%に過ぎず、他の資産の運用で十分にカバー可能です。
逆に10倍になれば資産全体の約3分の1を占める主役に躍り出ます。
このようにリスク許容度の範囲内で、新興国株(10〜30%)や仮想通貨を組み合わせ、次の10年を見据えた分散投資を構築することが、最も合理的な生存戦略となるでしょう。


