現代の資産形成において、株式や投資信託への投資は不可欠ですが、同時に「絶対に減らしてはいけない資金」の管理も重要です。
MoneySenseCollege®︎(マネセンスカレッジ)の浅日 司(Asahi Tsuyoshi)氏によれば、その最適解の一つが「個人向け国債」です。
個人向け国債には「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類がありますが、金利上昇局面にある現在、最も推奨されるのは「変動10年」タイプです。
この商品は、10年物国債の金利に0.66を乗じたものが適用される仕組みで、金利が上がれば受取利息も増えるという「反則級」のメリットを持っています。
なぜこれほど有利な商品が一般に浸透していないのでしょうか。
その理由は、販売側である銀行にとっての「儲け」が少ないからです。
銀行は自社の定期預金や、手数料の高い投資信託を売りたがります。
しかし、顧客にとってのメリットは逆であることが多いため、投資家自身がリテラシーを高め、自ら選択する必要があります。
個人向け国債は1万円から購入可能で、最低金利0.05%が保証されています。

たとえ市場金利がマイナスになっても、受取利息がゼロ以下になることはありません。
この「下限保証」はデフレ時代に作られたルールですが、現在のような金利上昇期にも安心感を与える材料となります。
具体的な活用法として、以下の6つのステップが挙げられます。
①教育資金の準備:元本割れを嫌う配偶者との合意形成にも適しており、学資保険よりも柔軟性が高いです。
②定年退職後の生活費:運用から取り崩した現金を、数年分だけ国債に移すことで、安全に管理しつつ利息を得られます。
③将来の旅行積立:数年後の楽しみのために、確実にお金を残したい場合に有効です。
④親の介護・医療費:突発的な支出に備え、生活防衛資金とは別に管理する「第2の防衛資金」としての役割を果たします。

さらに、⑤インフレ対策:現金だけでは価値が目減りしますが、金利に連動する変動10年であれば、実質的な価値の低下をある程度防げます。
⑥ペイオフ対策:銀行預金は1つの金融機関につき1000万円までしか保護されませんが、国債は国が破綻しない限り全額が保証されます。
多額の現金を保有する場合、複数の銀行に分ける手間を省き、国債一本で安全に管理することが可能です。
注意点として、発行から1年間は原則として中途換金ができないことが挙げられます。
また、中途換金時には直近2回分の各利子相当額が差し引かれますが、計算上、元本割れすることはありません。
現時点ではNISA(少額投資非課税制度)の対象外であるため、課税口座(特定口座や一般口座)での運用となります。
しかし、元本保証という絶対的な安心感と、銀行預金を上回る利回りのポテンシャルを考えれば、ポートフォリオの「守り」の要として組み入れる価値は十分にあります。
まずは銀行や証券会社で専用口座を開設することから始めましょう。
ネット証券であれば手続きも比較的容易で、1万円から自分に合ったペースで積立購入も可能です。


